cry for the moon.



いくら手を伸ばそうとも、この手があなたに届かないこと、知っている。
あなたは僕じゃない何かを見ているから。



側で見つめることさえ許されればいい。
目の前にいるのに夜、空に浮かぶ月のように
掴むことができないなんて、あまりにも残酷すぎる。
想いを伝えてもあなたには、別の人がいたから
受け止められなかった。
一度だけと望んだ願いも、彼への想いには勝てなかった。
この想いを持て余すのだとしても、
側であなたを見つめていられればそれでいい。
その儚くて綺麗な顔を、
強がる横顔を、
瞼に焼き付けられれば、それで幸せなのだ。
優しすぎるあなたは、突き放すことをしないから、
僕はそれに甘えて、離れられなくなる。

もう僕にできることは何もないけど
どうか死なないで。
全てを諦めないで。
泣かないで。
笑っていてほしいんだ。


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