37. 瞬間


告白された瞬間、びっくりした。
相手は、密かに可愛いと人気がある彼だった。
かっこいいとの形容が合うのだろうけど、印象が可愛い。
と女生徒の間では評判だ。
クラスの人気者、成田忍さんといつも一緒にいる彼の名前は
実は私は告白されるまで知らなかった。
酷いと思われても全く覚えてなかったのだ。
他の子と違って興味深々に彼らを見ていたわけじゃないし。

告白されて返した言葉も不味かった。
『へえ、そうなんだ。初耳』
怒って走っていったっけ。
それでも自然と付き合いは始まった。
とにかく謝ったら、じゃあ付き合ってくれるのか?とか
言われちゃってこくんと頷いた。
私が彼に告白したのは付き合い始めて3ヶ月後。
あの時、砌の表情は瞬時に変化していったのをよく覚えてる。
呆気にとられた後すごく嬉しそうな顔になった。
軽い気持ちで付き合い始めたわけじゃなかったよ。
きっと好きになれるって確信したからOKしたの。