40. 天使


ふわふわと空を翔る。
白い翼を背に生やして。
目にした見た瞬間、天使だと思った。
天使だなんて見たこともないけど。
不思議とそう思ったのだ。
頭には金の輪があり、黄金の髪を背に流し、白い大きな翼で空を翔る。
眩い軌跡を描きながら。
幻のように美しい。
あんな存在がいるなんて。
胸が熱くなった。


憧れにも似た思いでやがて消えるまで見つめていた。
天の使い。
あの天使がいる天へ私も行くのかと思うと
死も悪くないななんて馬鹿なことを思った。


back