喜劇か悲劇かわからないけれど  


 不安定な関係が、切れるか新しく始まるか
 ギリギリの瀬戸際で、まだ躊躇っている。
 身を引き裂かれるくらい愛しくて、苦しくて、抱かれる度に
 感じる彼の息吹に、愛しさが溢れ出しそうになるばかり。
 受け身で待つしかできないのに、離れられない。
 喪失の恐怖は常に付きまとっているからこそ、
 自分から身を引きたくないのだ。
 意地だった。流されているだけじゃないのだと彼だって知ってるはず。
体を繋げている先で心が繋がっているって信じたいんだ。
 確かに、私達は求めあっている。
 手探りで答えを探している。
 泣き叫ぶ心がどうか届くようにと願いながら、
 一人の夜を過ごし朝を迎える。


 夜明けの光の訪れを待ちながら。
(彼に惹かれ、焦がれる心は捨て去れない)



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恋十題by乙女の裏路地